叢生の部分矯正

叢生とは

叢生の部分矯正「ガタガタの歯」と表現されることが多い叢生(そうせい)は、乱杭歯(らんくいば)とも呼ばれます。
歯が一列にきれいに並ばずにズレていたり、重なっていたり、捻じれて列を乱している状態です。かわいいイメージのある犬歯の八重歯も、叢生に分類されます。
叢生は、上の前歯が下の前歯に被らず開いている「開咬」、いわゆる受け口と呼ばれる「反対咬合」、出っ歯と呼ばれる「上顎前突」と併発していることが多く、症例の幅は多岐にわたります。

「犬歯の八重歯=かわいい」ではなくなるかも?

叢生の一つ、犬歯の八重歯は、「かわいい」というイメージがありますね。ただし、近年はその「犬歯の八重歯=かわいい」という図式が崩れてきています。犬歯の八重歯も、出っ歯やすきっ歯と同様、歯並びの乱れであることには違いなく、これまではむしろ良いイメージがありましたが、今後のグローバル社会の発展と共に薄れていくものと予想されます。

叢生の原因

叢生の原因として多いのが、顎が小さく歯が正しく収まらない、もしくは歯の1つ1つが大きく正しく収まらないことによるものです。どちらも、スペースに対して歯が占める広さが上回っている状態です。本来生えるべき場所にスペースが見つからずに、違ったところに生えてしまったり、捻じれて生えてしまったりします。そうして叢生が起こります。
乳歯が早く抜けると、そこに隣の歯が移動して、次に生えてくる永久歯のスペースを狭めてしまって叢生を起こすこともあります。これは、乳歯をむし歯などで不適切な時期に失ってしまった場合(抜歯処置を含む)にも起こり得ます。
その他、歯列が描くアーチが前後に長いことを原因として前歯が乱杭歯になってしまったり、指しゃぶりや前歯を舌で押す癖により歯列が乱れてしまうこともあります。

叢生の治療方法

叢生の治療方法叢生の症例、程度は幅広く、すべてに対して部分矯正ができるわけではありません。
奥歯の咬み合わせが良く、前歯だけの軽度の叢生であれば、部分矯正による改善が可能です。
奥歯の咬み合わせが悪い、もしくは前歯だけであっても中程度以上の叢生であれば、全体矯正が必要になります。
その他、マウスピースによる矯正、床矯正などによって、叢生を改善することが可能です。

治療をしないとこのような弊害につながる

叢生の症例は多岐にわたり、また他の歯並びの乱れを併発することも多いため、さまざまな弊害を起こします。
見た目の問題はもちろんですが、咬み合わせが悪いことが多いため、咀嚼の不都合、発音障害などのリスクが上昇します。上の歯と下の歯の接触面積が狭いため、一部の歯に過度の負担がかかり、歯の寿命が短くなるとも言われています。
また、歯列の凹凸が大きく、ブラッシングが難しくなります。必然的に磨き残しが多くなり、むし歯・歯周病・口臭の原因となります。